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『ファッションの社会学』

ファッションの社会学
流行のメカニズムとイメージ
「装いと社会の関係 服装やモデルが与えるイメージから社会を読み解く。」
帯より
出版:文庫クセジュ(白水社)
定価:1,050円+税
著者は、フランスや欧米の大学で教鞭をとる国際派:フレデリック・モネイロン。
服装をめぐるさまざまな論説を紹介しながら、その成果を検討・評価することを通して、今日の社会におけるファッションのありようを提示しています。
ファッション論から社会学的考察へ
いつの時代でも、具体的な服装そのものについて、あれこれと言い放つだけなら、ことは簡単でしょう。
けれども、「装い」というものが、人類の歴史のなかで『個人に最高の価値を認める社会の誕生と分かちがたく結びついている』目新しいものであり、服装が身分をあらわす階級制度的なものから解放されるにしたがって、人間のさまざまな意味合いをも、ファッションの変遷のようにとっかえひっかえまとってきたとすれば、それはなかなかに手強いものになるのではないでしょうか。
まさにそういった点からすると、ファッションは経済学や社会学的見地からだけでなく、歴史学、美術史学、記号学、心理学などといった学際的アプローチが求められる分野であると、著者は語っています。
本書のなかでは、ファッションについての数々の書物を取り上げており、バルザックやジンメル、バルトなどの有名どころに多く言及するよりもむしろ、各種の社会学者のファッション論や考察を読み解きながら、西欧におけるファッションの流れを解説しています。
個人的には、『ファッション・イメージは、世界や自己との関わり、そして性別や性的なものとの関わりを通して、ある社会の大きな方向性を露わにする。』というところに共感しました。
そして、それらから抽出される人類学的構造は、西洋の『社会文化的ダイナミズムの過程』を明らかにするとともに、流れゆくファッションをつぶさに見ていくことで、その時々の世界に対する人々の社会的態度や自己認識が浮き出てくるだろうとしています。
この『ファッションの社会学』では、総じて具体的なデザイナーたちにはほとんど触れられていませんが、西洋のファッション学を概観するような新書です。
原書の参考文献は記載されていますが、登場する人は多く、ファッション用語にも脚注がありません。日本語版として人物索引や訳者による詳細な解説・解題などが付けば、哲学思想系の出版社からハードカバーで刊行されても良いような内容です。
題名の通りに、ファッションを学問として捉えてみることに興味を持った人ならば、特に読んでみる価値があるとおもいます。
※気になった点をあげるとすれば、副題にある「流行のメカニズムとイメージ」というのは、内容に照らして的確ではないように感じられます。また、誤訳ではありませんが43ページに現れる「ドミ・モンド」は「花柳界(裏社交界)」のことを指しています。具体的に「高級娼婦(ドゥミ・モンデーヌやココットのこと)」などとしても良かったかも。まったくエレガントではありませんが。(^^ゞ
『ファッションの社会学』(2009.04.03)
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