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[モードの極意]35:模倣するということ。
No.35:模倣するということ。
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模倣とは、「まねること」「似せること」です。
そうして出来上がったものには、
明らかにオリジナル品とは別物というレベルから、
それらの違いがわからないほどに精巧なレベルまで、
さまざまなバリエーションが考えられます。
ファッション関連産業では、その展開が年々の
春夏・秋冬という半年程度のものであることも手伝ってか、
似たようなものが出回っていることに不感症になっている、
もしくは過寛容になっているように感じられます。
(もっとも内情は、どんな業界でも同じようなものかも、、、。)
そこでおもい出されるのが、
平成17年4月27日に東京地方裁判所で争われた裁判です。
事件番号:平成16(ワ)12723。
裁判所のサイトを検索してみれば、
現在もその情報を知的財産裁判例として、
PDF書類の形式で見る(ダウンロードする)ことができます。
それはあるフォーマルウェアの製造販売会社が、
似たような商品を製造販売したとして、同業者を訴えたものです。
何を論拠にして、どういった点で、どのように争うのか。
そのような、いわば技術的ともおもえる部分が、
裁判では判決を左右するものであることも想像されます。
いよいよ裁判員制度が始まるという世の中になりましたが、
裁判とは難しいもののようですね。
本件の全文を読んでみても、
一般の人がすぐに理解できるとはおもえない様子で書かれています。
難しいことはさておき、その裁判はどうなったのか?
結論(判決)は「棄却」。
私の理解では、
『消費者が2点を同一品と混同するような商品とは認められない』
という判決内容でした。
争点となっていたあるドレスについて、ことばで書けば、
マーメイドラインとAラインは別のシルエットですし、
同系色に見えても(厳密には)違う色ともいえ、
素材(生地)は違うメーカーから仕入れた別物とも、
正当に主張できます。
しかしながら、ある時期に、
同じようなフォーマルウェアを取り扱う職種について、
原告を同業他社として仕事をした経験のある私見からすると、
過度に参考にして製作されたものではないかという様子。
特に同じような売り場で販売する商品だとすれば、
なおさらのような気がするのですが。
といえども、裁判(所)としてはOKらしく、
のちに控訴した知的財産高等裁判所においても「棄却」。
オリジナリティを発揮するということは、
裁判に勝るとも劣らない難しい行為なのではないか
とおもえる現代なのかも知れません。
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(No.35:模倣するということ。~終)
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