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[モードの極意]32:距離は魅力。
No.32:距離は魅力。
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距離がある、間があるということ。
それそのものには、良し悪しや善悪はありません。
あるのは、
「長さ」であり「短さ」、
「近さ」であり「遠さ」、
「速さ」であり「遅さ」。
人の生活にはいつもそんな同じようだけれど違った二点があって、
その他なるほうによって魅惑されるものなのではないでしょうか。
「ここ」だけではなく「そこ」、
「現在」だけではなく「未来」。
この世に同じものが二つあるとしたら、
それらはもともとまったく同じものではないか、実は一つしかないか、
のどちらかであるような気がします。
ナンバーワンでもオンリーワンでも、ワンはワン。
時に巷で目指せといわれているものは結局どちらも一つなのですが、
それは努力と継続の結果として到来するかも知れないものであって、
1を獲得することに執心しなくてもよいのでしょう。
むしろ、どんなに何かを望んでも同一化することは不可能なのです。
獲得したとおもった瞬間が1になってしまうのですから。
肌と服との間。
距離=違いを見いだし、関係を感じ、楽しむこと。
惹かれあい、反発しあうこと。
ファッションとは微細なところで、
とてもダイナミックな営みなのではないでしょうか。
着るものと、着られるものとの共犯。
魅了するものと、魅了されるものとの舞踊。
それには間隔が必要ですし、動きの空間=場がなくてはなりません。
『速くあれ、たとえその場を動かぬときでも!』*
つらつらとそんなことを考えてみるとき、
取りとめもないことを想います。
何か別のものとの距離そのものが自分を形作っているのではないか。
してみれば、人はどんなに一人でいようとも、一人ではいられない。
時空を越えて他者とともにある。
できれば、そんな距離を楽しめるような、
間合いにおもいをはせることのできるような
ヒト・モノ・コトに出会いたい、とおもったりするのです。
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(No.32:距離は魅力。~終)*部分は朝日出版社の「リゾーム」より引用しました。
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