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都市とモードのビデオノート

<デジタルニューマスター版>
『都市とモードのビデオノート』
監督・脚本・ナレーション:ヴィム・ヴェンダース
出演:山本耀司/ヴィム・ヴェンダースほか
企画:ポンピドゥー文化センター(フランス)
制作:1989年(撮影:1987年~)
時間:本編約78分
日本劇場公開:1992年
<フランス・ドイツ合作フランス映画>
映画「都市とモードのビデオノート」とは、、、
※日本劇場公開チラシ
『ベルリン・天使の詩』を撮ったばかりの1987年、映画監督:ヴィム・ヴェンダースがフランスのポンピドゥー文化センターからの要請を受けて制作を開始したドキュメンタリー映画です。
その企画内容は「世界的なファッション・デザイナーに関する映画を世界的な映画作家に委嘱する」というもの。
選ばれたデザイナーは Yohji Yamamoto や Y's(ワイズ) を率いる山本耀司。
「“モードについて”の映画は / 僕にはつくれないだろう」と前置きしつつも、「“耀司とともに”なら、そして / 彼の仕事が僕にひきおこしてくれた / モードに対する好奇心“とともに”なら / 僕映画が作れるだろう」と、ポンピドゥー文化センター内の産業創造センター所長:フランソワ・ビュルカール宛ての手紙に記したヴェンダース。
『ベルリン・天使の詩』の最後の場面、ヒロインに扮するソルヴェイグ・ド・マルタンがまとっていた鮮やかな赤の衣装は Yohji Yamamoto ブランドのものでしたが、当人とは面識のないまま即座に引き受けたといいます。
ビデオやDVDの発売元からはシネ・ポエム、シネ・エッセイなどと紹介されている映像作品です。
※初回VHS版(東宝ビデオ ゴールドラベル)
どんな映画なのか
公開当時の映画チケットには『映画とファッション、ふたりの旅人が21世紀に過去と未来を見すえる珠玉の映画』、チラシには『モードと永遠性、映画とエレクトロニクス・イメージ、21世紀にむかうふたりの旅人の詩情あふれる未来展望』とあります。
パリと東京、フィルムとビデオ、ポンピドゥー文化センターのあるレ・アールとヨウジ・ヤマモトの直営店がある青山、昼と夜、過去と未来、商品と作品、モードと映画、山本耀司とヴィム・ヴェンダース、それぞれがさまざまに交錯してゆきます。
撮影開始当時のヴェンダースは42歳、一方の山本耀司は44から45歳になった頃。当時のふたりの勢いのある仕事ぶり、必然的に生まれる葛藤。「どこからきて、どこへゆくのか。」 人間としての生きるかたち。
写し撮られているのはモードや映画だけではないと感じられます。
※劇場公開パンフレット
ヴェンダースいわく、『私にとっては“ジャイアント・スモール・フィルム(巨大な小作品)”であり、いくつもの新しい扉を開いてくれた映画だ』。
山本耀司は撮影を通して語った自分の発言に対して、ただのおしゃべりが言葉としての重さを持ってしまったり、見つからない中から何とか使ったに過ぎない言葉が定着される様にズレを感じたり、それらによって映画自体に嘘を嗅ぎ取ってしまったり、、、
そうしながらも、それらを全部含めて『ここに一番“生(ナマ)”の僕がいるんだという気がしています。』と、映画の力の凄さを認めています。
ヴェンダースのファン、山本耀司のファンはもちろん、モード(ファッション)に興味のある方にはぜひ観ていただきたい映画です。
日本の高速道路や新宿の大ガードと街並みだけではなく、フランス:ポンピドゥー文化センターのテラスから眺められるサクレ・クール寺院、当時完成間近であったであろうグランド・アルシュ(新凱旋門)裏の墓地など、当時の風景にも興味深いシーンが多数あります。

参考:上記映画で触れられている写真集の日本語版
『20世紀の人間たち』 アウグスト・ザンダー
編者:グンター・ザンダー 解説:ウルリヒ・ケラー
訳者:山口 知三 発行:1991年 刊行:リブロポート
isbn:4845705834 発売価格:15,000円(税抜)
ドイツの写真家アウグスト・ザンダーが構想し、1929年にはその公刊が予告された肖像写真集です。
当時のドイツの「現在の社会秩序」概観を提示するはずであった本書は、本人の死(1964年)から15年後、最初の予告からは50年のときを経て1979年にまとめられ、翌1980年に出版された写真集の翻訳版です。
本人の指示もないため、完全な編集はできないものの、できるだけ忠実なものたるべく、不確定要素に悩まされた上での「復元の試み」と称されています。
「都市とモードのビデオノート」の中で、ヨウジが気に入るであろうとヴェンダースが挙げたジプシーの写真。
日本語版『20世紀の人間たち』は絶版のため、なかなか入手困難のようです。
しかし、アウグスト・ザンダー写真展を開催したことのあるワタリウム美術館(東京・神宮前)併設のショップ「オン サンデーズ」では、同写真展のカタログでもあった『PHOTO アウグスト・ザンダー写真展/肖像の彼方』(1994年)が手に入るようです。(2006年9月8日現在)
・「オン サンデーズ」オンラインショップ:公式サイト
⇒ http://www.watarium.co.jp/onsundays/
※「photography」カテゴリー内にあります。
PHOTO アウグスト・ザンダー写真展/肖像の彼方 1994
IN PHOTOGRAPHY THERE ARE NO UNEXPLAINED SHADOWS: AUGUST SANDER
28.5X21.5cm 272ページ ソフトカバー 日本語 税込価格5.800円
※参考書籍(2007年7月)
肖像写真から近現代の人間の変容をよむ
ここでは写真の歴史のなかから,三人の偉大な肖像写真家を選んだ。ナダール、ザンダー、アヴェドンである。ナダールは十九世紀後半、ザンダーは二○世紀前半、この二人はまさに肖像写真家であった。アヴェドンは二○世紀後半に活動し、その範囲は広いが、肖像写真に限定して見ていく。(引用元:岩波書店本書紹介ページより)
「視覚的な観点から芸術を語らせたら、この人の右に出るものはいない。」とでも言えそうな多木浩二(たき こうじ)による新書。
それぞれが半世紀を受け継いで行くような三人の写真家を取り上げています。写真、特に肖像写真から読み解く人間の歴史とは何か。
図版の収録もいくつかあるようです。
都市とモードのビデオノート(2006.09.01)
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